あしたてんきになぁれ

不定期更新だよ

濃く厚く接して触れてしまった、らしい


ふと、まだ暗がりの時間に目が覚める。
枕もとのスマートフォンが、時刻を告げる音を奏でる。

―――いつもの朝が、始まろうとしている。

しかし、自分が活動を開始するには幾分か時間がある。
この時間で、自分はよく微睡みという不安定な状態を楽しんでいる。

寝付いたり目が覚めたり、それが何回も繰り返される。
今、認識しているのは夢か現実か、それともそれらが混ざり合ったものなのか。
布団が包み込む暖かさに身をゆだね、ゆりかごで揺られているような安定の中にある不安定さを堪能する。

―――ん…

ふと、目が覚める。何度目の目覚めだろうか。その回数を数えたことはない。
空が明るくなり、カラスが鳴き、街が息づき始める時間だ。
部屋にも陽光が差し込んでいる。いつもの一日の始まりだ。

そろそろ起きよう。
そう思いながら、スマートフォンを眺める。
いつものようにSNSやWEBサイトを巡回し、そうしているうちに布団から出て、
そしてシャワーを浴び、仕事の準備に取り掛かる。



はずだった。


―――???

スマートフォンに見慣れない通知がある。

こんなアプリあったか?という疑問を持ちながら、内容を確認する。




「あなたはコロナ陽性者と接触しました」




―――この瞬間から、自分の日常が音を立てて崩れ始めた…



様々な考えが頭を駆け巡る。
脳内のあらゆる回路をつなぎあわせ、自身が持つ情報をつなぎあわせ、現状認識を形作っていく。


ことの重大さを理解する。
ことの原因を探り当てる。
ことの影響を推し測る。
ことの対応を正しく選択する。


どこまでも終わらない思考の渦に飲まれながら、思わず口から言葉が漏れた。

「新年早々、ツイてないなぁ…」


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はい、つまらなくて長くてかったるい文章ですみません。
つまりはですね。
濃厚接触者になってしまいました。

…うん、まぁ落ち着いてほしい。
突拍子もない事態と遭遇した際に、現状を正しく認識するのに時間を要するのは、
ある意味人間の正常な反応といえるかもしれない。
だから冷静に目の前の情報を咀嚼し、ゆっくり飲み込んでほしい。


つまり、そういうことです。


接触日は1月3日のようです。心当たりはありますが、しかし接触場所を特定するには情報が足りておりません。
接触日以降に自分が濃厚接触した人はわずかなので、そこまで大きな迷惑にはならないだろうと推測しています。

幸いにも自身は発熱がありません。至って平熱です。
すでに接触から3日経過しており、今後も平熱であることが予想されますが、
濃厚接触からの無症状感染の疑いもあるため、人と接触することは推奨されません。

国の方針にのっとり、2週間の隔離生活が始まります。
正真正銘のひきこもりです。ボッチ生活です。孤独を象徴するような孤独生活です。
家から出ないことが異常であった毎日が、家から出ないことが強制される毎日となります。
外界から遮断された自分と絡んでくれるのは、PS4とswitchとマイPCと、そして画面の向こうにいる皆さんです。



この年末年始で感染者が爆発的に増えております。
いつ皆様の背後に、コロナ感染の波がやってくるかわかりません。
人間にできる感染対策は限られておりますが、しかしやるに越したことはありません。
そして、そのうえで濃厚接触なり感染したとすれば、それは「ツイてない」と割り切るしかないと思います。


…………俺みたいにね…………



タイトルに「らしい」と書いてますが、これは本当にそういう感じです。
自身が接触したという実感がありません。アプリの通知をもって接触したと判定されているだけです。
振り返っても、どこで接触したかがわからないまま、接触判定を受けています。
これは、やりたくもないロシアンルーレットに巻き込まれ、そして当りを引いてしまったのと同じ感覚です。
「自身の努力ではどうしようもない」のです。その時間、その場所に、後に発覚する陽性者がいるかどうかでしかないのです。

これに遭遇するのは、ガチャで望まれないSSRを引き当てるようなもんです。
ほんと迷惑極まりません。今でもちょっと納得いってない感もあったりします。



というわけで、しばらく自宅謹慎生活のスタートです。
ひきこもり時間をどうやって充実させるか考えないとなぁ…